詩人:りんくす
やさしさってなんだろうね?
ポケットの中の
自分のナイフを
一つ一つ見せるたび
見られるたび
きみは陰腹を切り
痛みに顔を歪める
そして私が何も語る前から
自分の醜さをアピールするんだ
そんなきみのナイフを
気付かぬふりで手当てしようとしても
叱って取り上げてしまっても
どっちにしても
きみは我が儘だから
怒り出すのだけれど
何故私に見せることを選んだの?
見せる必要はなかったのに
綺麗に終わる方法なんて
きみなら四十八手は考えつくだろうに
きみを嫌いになんてなれないよ
それが私からきみに贈る
最大級のやさしさ
きみはそれに
『束縛』と名をつけてしまったようだけど
名は変われど
『それ』は『それ』…