詩人:どるとる
つぶした靴のかかと
途中でうっとうしくて蹴り飛ばした夢
机に投げ出した両足
墓石の上であぐらをかく
そんなだらしない生活の中で
何が幸せなんだろう
何が楽しいのかな
とりあえず開ける扉
向かえば何かしらは持ち帰る
悲しみとそれと
たとえば 素敵なビー玉
それらを眺めながら
巣へと向かう途中の帰り道
夜の胃袋にすっかり沈んだ 街
その胃液で溶けたように意識はとろけて
やがてぼくら夢の中
あ、あ、あしたに出会おう
楽しい楽しい 明日に
悲しみは残念なことにどのあしたにもあるけど
喜びもどのあしたにもあるから それをいいことにたまに大げさに 笑えたならばそれは幸せな証
さあ いつまでも落ち込んでないで
雨がやむように悲しみが通り過ぎたら
涙はぬぐって
微笑みの太陽
キラキラ輝かせよう
ぼくがいる
だから あしたがある
ページはめくられて
夜明けがおとずれて
眠ってるあいだに
時計はまわり
朝が はじまる
日付も変わる
日付が変われば
新しい 今日が
おごそかにはじまる
昨日のことは忘れて
今日は今日の1日を生きよう
つぶしたかかとを
履き直して
投げ出した両足を引っ込めて
墓石から腰を上げて
ほら 罰当たりな
自分を戒めて
ほら のぼる太陽に
朝一番の言葉 言い放つ
お、お、おはよう
すがすがしい気持ちじゃなくても生きるんだって気持ちでさ
会いたがってたあしたに出会おう
今こそ
会いたかったあしたに出会おう
今は繰り返し
頑張って
会いたい
あしたのために
いつか
会えるはずの
あしたのために
頑張って
ただ頑張って
夜と朝を行き交う
夢とうつつを行き交う
ぼくはそういう生き物。