詩人:おるふぇ
キャンパスに色を叩きつけて
無限の点 無数の線
むすんでひらいて
つないでつなげて
山の奥の木の家で
連日連夜
おじいちゃんは立て篭もり
絵を描き続けたとさ
描いては捨てて
捨てては描いて
なかなか思う通りにはいかないけれど
魂が求める限りの
ありったけの力で
筆を振るい続けたとさ
春の日の優しさ
夏の日の情熱
秋の日の静けさ
冬の日の冷静
おじいちゃんはボロボロになるくらいに
描き続けたとさ
もしも
絵画の神様がいるのなら
どうか
このおじいちゃんに
望みの絵を
描かせて下さい!
世界中のどこを探しても見つからない
おじいちゃんだけの絵を
世界中の不幸のどん底の中にいる人でも
幸せにする絵を!
そんな絵はありませんか?
夢なのかな
幻なのかな
おじいちゃんの
命という名の絵よ
いつしか
この地上に
姿や形として
誕生し給え!
おじいちゃんの
絵を描き続けるという幸せ
そのまんまの幸せで
どうか世界中が満たされますように!
いつしか
笑い笑って
螺旋に伸びる
天国に続く階段に
招かれる日
この世のものとは思えない
光のような美のような
絵を完成させて
おじいちゃん
満たされて眠るとさ