詩人:こうもり
ひとりぼっちでおくびょうなこうもりは
さみしくてさみしくてしようがありませんでした
あるひ、とりたちのむれをみつけると
ゆうきをだしていいました
あのね、ぼくはみんなとおんなじはねをもっているよ
なかまにいれておくれよ
とりたちはいいました
たしかにきみには、ぼくらとおなじようにはねがある
けれど、きみはけもののようなはなをしている
きみはけもののなかまだろ
そこで、さみしいこうもりはけものたちのむれにむかっていいました
あのさ、ぼくにはみんなとおんなじようなはながあるんだ
なかまにいれておくれよ
けものたちはいいました
なるほど、おまえはおれたちとおなじようなはなをしている
だけど、おまえにはとりたちのようなはねがある
おまえはとりのなかまだろ
結局、僕は
くたびれた臆病を大事に抱えて、ただだらしなく生き延びている
夢にも現実にもずっと怯えて、ただ俯いてとぼとぼと歩いている
どうしようもなく、しょうもない自分が、
夜更けにごろんと寝転がって
詩を書いている