詩人:頭の中
頭の中の雑音は消えなくて
毎日毎日
テレビのノイズみたいな音が
流れ、流れ
私を乱す。
止めてよ、止めてよ
叫んでも自分の頭なのに止まらない。
忘れ物を取りに会社に向かって
真っ暗な道を歩いたら
ノイズの音が聞こえなくなって
急に怖くなり泣きながら走った。
怖い、怖い、
何が怖いのか分からなくて
とにかく怖くて引き返した。
ただ怖かった。
人が道が建物が
目に映る全てが怖くて
怖くて、
耳を塞いでひたすら走った。
家についていつものノイズ。
何故だか分からないけど安心した。
止めてよ、止めてよ?
いや止めないで。
頭の中で鳴り響くノイズ、
私だけの安らぎの音。