詩人:亀
灰色に染まった空
タバコの煙を吐き出して
今も後悔ばかりしてるよ
この街の片隅でふるえる君を
守ることすらできないままに
冬が通り過ぎて
暖かな春が来るのだろう
なにが合わなかった?
ぼくの言葉は冷たかったかい?
きっときみは怯えてたんだね
愛することも
愛されることも
冬が深さを増して
この街路樹達も色を失って
それでもぼくは笑ってる
悲しい顔を隠すために
笑うピエロだ
きみと一瞬つないだ手の
暖かさにとらわれたピエロだ
いつかきみが笑うとき
ぼくはそばにはいないだろう
どこまでも涙の雪が続く
このアスファルトの道のように
ぼくの未来はなにも無い
そこにきみがいなければ
どんな賑やかさも
ただ無機質で冷たいだけなんだ
ほら
雪が降ってる
すっと溶けていく
儚いね
全てあったはずなのに
全て失った
空っぽな魂を引きずって
雪の道に足跡を残して
ぼくは泣くよ
涙が雪に変わって
白く染めるまで