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[10733] 恋する林檎

詩人:夢姫

貴方に恋い焦がれて

わたしは赤い果実になりました

貴方がわたしの名前を呼んで下さるのを夢見ていたのです

どうか呼び捨てになさって


貴方にもぎ取られた

あの日からわたしは貴方のものなのです

貴方がわたしの服を脱がしてくれるのを心待ちにしていました

どうぞ優しくお口に含んで


貴方に頂いてほしくて

はしたないとお思いになるでしょうか

わたしは自分から貴方のお口を求めて赤いドレスを脱ぎました

どうぞわたしの果汁を召し上がれ


できるのであれば
毎晩貴方と戯れていたい
できるのであれば
毎朝わたしを食卓に


貴方に恋い焦がれて

わたしは赤い果実になりました

貴方のお口でわたしから滴り落ちる甘酸っぱい果汁を

どうぞおいしく召し上がれ



2004/04/13 (Tue)
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