詩人:和泉
愛さえも
愛しく
埋まらない悲しみ
絵本の世界に憧れたら
おかしがられるかな
傘に入りきらない愛
消えてしまいそうで
口ずさんでみる
消しゴムがなくなる頃
恋しくなるのはボクのほう
咲いて散る花の如く
視界を埋め尽くせば
掬えるだけ掬おう
世界は狭くもあり広くもある
そんな場所に生きる現実(いま)
たいした嘘はつけなくて
誓いの言葉はまだ胸の中
月より近いはずなのに
手を伸ばす距離にはないの
止まるを知らない心
泣けない理由
逃げない覚悟
濡れた頬は自分のせい
眠れぬ夜はないけれど
飲み込む言葉はまだあるの
放てぬ想いがある
秘密が秘密を呼ぶ
不意に降る悲しみ
下手な嘘
星の数よりも
巻き戻し不可能
見返り不要
無二の時間(とき)
目指す未来(さき)
ものさしは必要な距離分だけ
山びこは帰ってきたか?
結わいた紐はまだ繋がっているか?
四葉は見つけられたか?
ラインは時に頼りない
リーチは今だに遠く
ルートは未完成
レンガの家のように頑丈じゃないけれど
蝋燭の火は今だ灯る
別れはできれば訪れなければ と
まるで果てのない祈りのよう