詩人:どるとる
ほんとはすごく弱いのに
弱みを人に見せたくなくてやたら強がっているだけでけっして強いわけじゃないのさ
雨にうたれ 風になぶられ 平気でいるはずはないね
背中も見せずに
立ち尽くす勇ましささえ みんな抜かりなく嘘なんだ
ほんとのぼくはいつまでも誰も知ることはなくぼくからも明かすことはない
手に負えないくらい大きな悲しみを抱く
そんなぼくがいることさえ
人は平気そうに笑い飛ばして 自分の幸せにあははと笑う
ねじ曲がった心はかぎりないさみしさとわびしさに満ち溢れてるけどそうなってしまった人の悲しさもわかってほしいな
降り注ぐ雨のその中に わざと濡れるために 屋根も何も防ぐもののない
空の真下に ぼくは立つ
服はたちまちずぶ濡れ
悲しみはあふれる
とどまることさえ知らない 雨はぼくがどれだけ悲しもうと関係なく全ての人を濡らすんだ
容赦ない 悲しみを
誰にも 公平に与え
平等という名目で
ぼくらに涙を要求する
なぜだか いつもその要求からは逆らえないのさ
言葉じゃなく感覚的な要求だから
ぼくらは 従わざるを負えないのかな
束の間の晴れ間を信じすぎた早とちりなぼくにはもしもの悲しみを怪しむ
考えなどなかった
あんなに晴れていたのに嘘みたいに遠く 低くたれ込めた雨雲
目の前の出来事にただ素直になれすぎて目にうつるものだけを信じすぎたんだな
ほら案の定
火を見るより
明らかな空模様
曇天、雨を降らす
傘などないから
濡れて帰る
確証はやがて
現実になって
雨の兆し そのままに
ぼくは悲しみに沈んだ
誰かのささいな言葉でその誰かが思いもしないほどぼくは深く傷つき
ガクッと落ち込んで
心に突き刺さったようにその言葉から逃れられなくなる
縛られた 時間
自由はそこにはない
どんな明るいニュースもどうでもよくなり自分のことしか見えなくなる
出会い頭の悲しみ1つで。