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[103993] 雨、ふらり(後半)

詩人:甘味亭 真朱麻呂


心の叫びは僕よりもずっと、意外に社交的で
この溢れ出る涙の意味は僕にしかわからないけど
何一つ無意味なことなどないように
それでも僕の存在は雨に曇り時おり見えなくなる
ぼやけて見えなくなる
目をこうして細めても
そこに見えてる誤りにただお辞儀をするだけじゃ
きっと許されないよなぁ
俺のそんな気持ち、もう一人の僕は感づいてくれてるみたいだけど…

あぁ
雨、ふらり
霧のように走る車に降りかかる
走り去る時間
止まったままの壊れた腕時計
正しいことだけ考えて突き進んできた
あなたには僕の傷みなどくだらなく思うんでしょう

何かを人は追いかけてさ
その何かに当たり前のように笑ってさ
本当の自分引っ込めてさ
それが大人だって
誰もが言う
それこそ当たり前のように
常識よりはるかに最下位の暗黙の約束のように
あなたは冷たい目をして
僕に言うだけ
誰もがそう、言うだけ

何でもないさ
どうせ解っちゃくれないんだろ
なよなよした声で
空が泣くから あぁ
僕は悲しくなっただけ
不意に悲しくなっただけ
そうやってまた本当の気持ちごまかすように
心の引き出しの奥にしまった
このまま雨はまだまだ降り続くよ

常識的価値を見定めるみたいに
いつも不安は振り返ればそこにあって
気づかない内に引きずり歩いてる
いつの間にか心さえ不安で満たして

あぁ
だから、悲しくなる
だから、せつなくなる

目の前には雨、ふらり
交差点には人、だかり
薄暗い世界
おそろしいほど静かな街
ああ、雨が降ってる
ああ、明日も止まずに続けて降るらしい
無意識につけたラジオからこぼれる声
静かにだんだん混雑する高速道
僕は独り眠そうな目で空をみる。

2007/06/24 (Sun)
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