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[154412] 遥か彼方

詩人:どるとる


遥か彼方へ連れて行って
もう、何もかもに疲れ果てたから
誰もいない 静かなところへ連れて行ってほしい
半ばさらう形でもいいから
人の愚痴や 汚らしい文句が聞こえない場所へぼくを連れ去っておくれ
遥か彼方に連れて行って

太陽はいつも当然のように空にぎらぎら輝いて
変わらない人の営みが繰り返される
波間にただよう貝殻のようにぼくらはただ流されるままに生きる

遥か彼方へ ずっと遠く先へ流されてゆく 難破船のように 舵は運命にまかせたから

ぼくは行き先を知らない
予測もできない

自由の空の下で
不自由のない世界
憧れだけ残したまま
やっぱりどこに
逃げても縛られた世界

遥か彼方に 思い描いていた楽園は粉々に砕け散ってしまった
遥か彼方へ 遠くずっと先まで ぼくは流されて 何度でも岸に押し戻されて 何度でも 波に逆らうけど むなしく押し戻されて
それでも
無理を承知で挑む

沈む日はまだ先の話
まだ行けるはずなんだ

だから 夢を抱くのです
遥か 遥か 彼方へ。

2010/03/21 (Sun)
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