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詩人:旅人モドキ(左利き)
セツナサイテ
いつでも胸に居座る きみの影を捜しさまよう
あの雑貨であふれる店には きっと約束を置き忘れている
きみとの長話に花が咲く日から ふたりの仲を裂いた時のいたずらを想う
たどり着くのに閉鎖とは この陳腐な願いは射通せないと気づく
セツナクサリ
なごり惜しくも舞い戻る間際で そぼ降る涙雨に出くわす
ぱっと水色の傘を開くと きみへの追憶がこみ上げて漂う
きみから贈られた形見だと つい今まで心から離れ去ると知って揺らぐ
あの懐かしい感情が保てるなら ずっと未来まで宿せる魔術すらも欲しがろう
セツナイマダ