詩人:トケルネコ
それは放たれたかに見えて射ぬくこともない銃声
オマエはマシーンになりたいただの犬
強姦される老婆の影に隠れ 粗雑な憎しみに乾く
ガラスの靴をよこせと 0時のベルが鳴く
子供の皮を そいつは被っていたいだけ
恐怖は磨耗するストーブ 卑屈なダイスを今日も振る
オマエは首輪になりたいただの犬
真冬の絞殺死体を夢見てるだけ
かじかんだ小脳のスープの皺 凝固してる暇も 掬うための力も無い
オマエは誰にもなれないただの犬
そいつをよこせと 0時のベルは鳴き止まない
孤独の骨を そいつはしゃぶって踊ってる
オマエはオマエを捨てたただの犬