詩人:鴻
一人だけの生活に
“うるさい事はない”
ただ…―
“温かい 事もない”
節約のために
暖房をつけずに
冷たい部屋で
毛布に包まって
温かいスープを飲んだ
父は風邪をひかないよう
いつも部屋を温めてくれた
母は温かい食事に
とても気を使ってくれた
一人だけの散歩に
“気遣いはいらない”
ただ…―
“隣に 誰もいない”
健康のために
冷たい外を
マフラーを巻いて
いつも通り
手袋をつけずに
散歩に出かけた
奴が首を温めろと
いつも
マフラーを巻かせたせいだ
奴が温めるからと
とても
温かい手で手袋を外して
繋いでたせいだ
“「―…寒イ…―」”
一緒に居すぎて
分からなかった事
今 気付けた
今 その価値を知った
もっと早く
気付くべきだった…
遅すぎて
大切な人達が
何人か居なくなった
―…だけど...
遅くても
気付けたから
大切な人達が
居てくれる事
それが
僕にとっての
『活力源』
『命ノ意味』
生きている…―
“『しあわせ』”