詩人:千波 一也
さいご、にはなれるはずもなかったいのりの一葉が身をよせてそよかぜを織るやわらかなうみすきま、からもれる光は重なりあってことばのほつれを受けとめるなりゆきまかせのさざなみの底はじまり、の日は渇きつづける水のうちこぼれすくわれめぐまれて、凪ぐ不ぞろいの腕