詩人:どるとる
ねえ ぼくの代わりにぼくの言いたいこと代弁してよ
ぼくは動物みたいに
ほとんど感覚だけで生きてる
まるで腹話術の人形のように
誰かの会話に合わせて話す ダメな奴
世の中の流れに逆らえず 流行りに流されやすい人
ほら 腹話術の人形みたいに 企業に操られている一般人
笑うのは いつも
流行りをつくりだす考案者
ほら 世の中の腹話術師が君らを人形のように操るそのさまを幾度となく見てきたよ
世の中が右といえば
ぼくらは右へ曲がる
そして今度は左といえば左へ曲がる
その時流行りに押し流されず 人に左右されず 右なら左へ 左なら右へというように逆らう勇気さえあれば オリジナリティも出るってのに
ぼくらはなんだか
集団を好み
孤独になるのを嫌う弱虫ばかり
世の中という腹話術師がほら 金儲け企んで
君らの声や仕草を真似て流行りを街にばらまく
今日も君らは 流行りについてゆくのさ
チンドン屋みたいに
ほら街を行き交う同じような流行りの服身にまとったぱっと見かわいい女の子
でもなんかつまらない 女の子だな
腹話術のショーはつまらず流行り過ぎるは早し
めくるめくスピードで 世の中の様相を変える
ほらこの街も流行色に染まってる
ぼくだけが ただひとり 古臭い服を着て
化石のように突っ立って
流行りに媚び
流行を追いかける
人々を見つめては
腹話術の人形のようなイメージを見てしまう
教えようか
君ら、腹話術の人形みたいだよ?
今に自分らしさ失くすよ?
それでもいいなら
何も言わないけど
閉幕と相成るその時
奇怪な声で
さよなら言う流行りはまた新しい流行りを街にばらまこうとしてる
止まらない流行りの波が人々を飲み込む
そのさまをぼくはただ遠くから遠い目で見ている
そのさまこそが
今の現状なのです
雑誌めくれば
なんだかみんな同じ人に見えてしまうから。