詩人:千波 一也
ほころんで、揺れて、待ちわびて、揺れて、愛されて、色づいて、愛されたくて、匂って、踏みつけられて、手折られて、ずぶ濡れて、さらされて、めぐりあって、別れて、干上がって、うるおって、奏でられて、踊って、踊らされて、奏でて、わたしのなかにある、一族の、らせん種子のような、芽のような、実りのような、根のような、わたしのなかにある、一族の、道すじ、水脈、風の音