詩人:鰐句 蘭丸
終末にやわらかい時計を買った ゲルニカが支配する聖母が抱くアヌビスがリュウズを遊ぶエクストリームだ メコンの黒子に夥しい追憶を嗅いだ ウェーバーの睡蓮の種もプラハのウサギの持つPCPに蒔かれた やがてウズメノミコトのバンドネオンは干からびたアウストロピテクスのダイイングメッセージを炙り出す 決して氷結も解凍もまた票決も解答のされないままのDNAはマーマレードの瓶の底でcd値の与えられたカドミウムが醸造されないでいる 続きの無いカフカの迷路でグレゴール・ザムザのジグソウパズルは眠らない少女の棺の燭台で白骨化したマタドールの持つマントの砂丘で終わり無きアキレスの最後の戦いを傍観する 月は今どちらに傾いている