詩人:良い席
俺が83歳のときに、もう過去のことなど覚えちゃいない。
ぼけっと老いぼれとっとと死ぬのだ。
先に逝った誰かのことを思うのだ。
次の世代が頑張っている。
年寄りはおさらばさ。
さようならこの世界。
そうは考えないだろうけど。
俺はポリスマンを尊敬して信仰していたらあいつはタリスマンを信仰していた。
俺は思った。違う世界があるのだと。そっちの世界をのぞいてみて肌身が合わないとそう思った。
同じ世界だけれども違う世界の中で生きてるのだろうと思う。
奴らは俺を敵だと言うが、俺は別にどうでもいいと思う。ちっぽけなこって、精神が勝手にしがらみなんて言い出しやがる。
これにはもう手一杯だ。
理屈に合わなきゃ死んじまうのかい。難儀なこって。