詩人:どるとる
悲しい記憶は早いとこ忘れてしまいたいけれど
笑い飛ばしたくはないよ
だってその時の自分の涙を思い出すと頑張っていたような気がするから
目頭が熱くなるほど
僕は愛されているね
だけれどそんな愛すら気づけなかった
だからぼくはいつもひとりだと思ってしまって
とてもさびしかった
心細かった
涙流れるから悲しいのか
涙流れるまえから悲しいのか
そんなことすらどうでもよくて
ぼくは今ただ悲しくて
涙の雨がやまなくて
心の中までずぶぬれなのさ
SOS信号もどうやら
届いていないらしい
ぼくはまだひとり
涙のSOS信号 送りつづけてる 途中です
雨はやまず
涙は降り続く
街の明かりは
遠く 揺れて
涙の雨がやむとき
悲しみは立ち去り
空のすき間から日が差してまたぼくは笑えるだろう
なんてね
言いながら
傘をしまうぼくは
ひとり並木道にて
まどろみながら
目をつぶる
明日に待たせてある
喜びに会いに行くために僕は頑張ったから
夜に おそれないで
涙の雨はもうやんだから いくらでも笑っていいはずだ
笑い飛ばすんじゃなくて強がるんでもなくてただ喜びに素直になるだけと僕は言った
夢はまた始まるよ
ここから ほらね。