詩人:甘味亭 真朱麻呂
夢の中でつかんだ光はとても小さく
僕の胸の奥で今もほろ苦く残るもの
わずかにそれは微弱な電波を発して
僕の抜け殻だけを残して魂ごと浅い眠りへ誘う
帽子の鍔で恥ずかしそうにほほ笑む君は
懐かしいあの歌を知っていた
君と虹の上に座り忘れてたはずの歌を口ずさむ
ちゃっかりそこにいてギターを鳴らす黒猫はよく見れば近所のミーちゃんで
思い出はいつも僕に背中しかみせず
しかもそいつの背中はまるで三日月のように曲がっていた
夢の中で見る景色
見えない透明の糸で吊り下げられた月は裏を返せばただの厚紙
ああ、
遠くのほうで君がさよならの合図を僕にくれる
坂道はどうしてって位急すぎてその夢の中へは二度と返れない
君に逢うのも今夜がはじめてで最初で最後のふれあいさ
明日は明日の君と歌うよ
今夜の君はもうこの先逢うこともなく逢えることのない
今夜限りのドリームパートナー。