詩人:夕凪
ちぐはぐな夢を
そこらじゅうに
描いてみたら
上手な繋ぎ方も
分からないまま
雨に濡れて跳ねた
通りすがりの
傘の花が
クスクス笑ったよ
おかしな希望を
引き摺ってるせいだ
大した事じゃない
ずぶ濡れの服の
重たさだけ
それなりにちゃんと
愛も傷もある
目深に被った帽子が
狭めた視界の分だけ
大切に守ってる
正義がある
時代遅れの最先端
あの子の笑顔に
会いたいな
会いに行くよ
雨が上がったら
嫌になるほど
空は晴れ渡り
虹はあっちだと
あの子がこの手を
取るだろう
雨が溶かした夢の色
そのうち消えて
探せなくても
悲しくはないよ
また描けばいいさ
今度はあの
笑顔の横で ─‥。