詩人:千波 一也
かなしみは凍てついたりしないからいつまで経ってもわたしは楽になれずにひどく体温をうばわれる硬いものなら落としてしまえば終わりにできる手から放して決別できるするどい痛みを伴う軟らかさには願わぬ再会ばかりが叶うから潮騒の語りが耳に届く少しだけ解かれるようにして耳に届くもう衝動なんて抱かないためらうこともままならないのにどんな身動きができようか