詩人:トケルネコ
秋茄子は余計に食わすなと
テレビでスザンヌが不正解
テヘヘっと笑うその仕草が
あたしを今宵も鬼にする
犬も歩けば棒に当たるというけれど
義母が出掛けてる隙に
義母の子犬を棒代わりに猫を追い回す昼下がり
あの人はあたしを救ってくれた
あの人はあたしと結婚してくれた
あの人と何度も何度も獣のようにまぐわったけど
赤子はできず、あの人にそっと
あなた雌ブタと心中ね、と謝ったら
あの人ゆっくりと二度見した
近所の識ったかぶりの坊主に聞いた
閻魔サマは嘘つきの舌を抜くっていうけれど
あたしらの舌は抜かれた後どうなるのかしら…
きっと天国の壁飾りね、と坊主の寝耳に唾を垂らす