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詩人:未知
また世界を駆け巡る凄惨なニュースと
次々と更新されてく新しいトピックス
わたしはうんざりしながら
錆びかけた窓を開け、生温い風にあたった
さっきまでスクリーン越しに見ていた
刺激的な話題の洪水は、嘘のよう
変わり映えのない、この日常と
なかなかリンクせず...まるで別世界なのに
けれど、その悲劇的なお話は
この空の下で確かに起こったことなんだ
確かな現実で、たぶん真実で
わたしの日常と確実に同居している
なんとなく今を噛み締めれば
無味無臭、ありのままの世界に涙が溢れ
選択肢に迷うこの一瞬でさえ
とても尊い悩みに思える
対岸だなんだと言ってはいられない
大切なものを守るために、いま
わたしが手にすべきものは武器か
それとも、愛情か...?
答えは誰も教えてはくれないけど
自分なりに考えて意識して
行動することは、できる
もしもこの尊さに気づけたなら
それからの日常は、少し
ほんの少し何かが変わるかもしれない
変えられるかもしれない