詩人:老女と口紅。
光年を経た今.宿された蒼の上なら飛べぬ天使よ揺られて眠れ。人知れず巡る季節は.ちりぬるそわかと雅にて。生まれ堕ちたが罪ならば、遠い記憶にたぐる糸無し。背なに羽ばたく証を探れば、落胆を抱く大人へと染まりゆくかな。自由に焦がれた心は灰に、狂い咲くよに笑う膝あり。腰には鉛を巻くかの如く、地を這う白き煙と成らん。乞う声垂るるの.か細きは、遠きに唄うウグイスに似て姿は常に此処には在らん。もがき倒した満月の夜は、孤独と神と交わす密約。落日の日に翼を借り受け、通り魔と成りて羽ばたくをせん。