詩人:甘味亭 真朱麻呂
昼間買ってきた柿の種を口に放り投げる
缶ビールでのどの渇きをだまらせる
君は今なにをしてるだろう
気になっても君に今更電話などかけられる訳もない
こんな夜はこんな夜は
泣きたくなるよ
別にひとりが淋しいわけじゃないけど
君といた方が楽しかったという
ただそれだけさ
君を想う時はなぜかいつも僕は泣いてしまうよ
あの日君が恥ずかしそうにみせてくれた心の内
僕は多分ずっと忘れないだろう
この先何年経っても僕は忘れることなど出来はしないだろう
君が誰より誰よりも好きで好きでした
もう時間が残されていない事をわかっていたのに
最期まで君は笑顔で僕を気遣ってくれた
どんな励ましの言葉も君を救える力なんてなかった
こんな非力で無力な僕を逆に心配してくれた君の涙
僕は知っているよ
知っているだけに僕はとてつもなく悲しかった
今だって思い出さなくても頭の中に君の悲しい笑顔が残ってる
僕だけにみせてくれた痛切な涙も
僕の心の中に
いつまでも
いつまでも
消えず残るもう二度と逢えない悲しいお別れ
……視界が細長く暗くなって意識が飛んだ
いつの間にか眠りこんでいた
顔を上げたとき瞳に入り込んだ
君と一緒に撮った思い出の一枚
見れば切なくなるだけの僕にとっては悲しい一枚
悲劇のヒーロー面した愚かな僕を許してください
君よ、今夜だけは酔わせてください。