詩人:千波 一也
あんよが出来たら
いい子いい子
おさかな食べたら
いい子いい子
幼い子どもを褒めるはやすし
着替えが出来たら
いい子いい子
なまえが言えたら
いい子いい子
わが子もよそ子も
ちいさな手柄を褒めるはやすし
えがおであれたら
いい子いい子
そばへと寄れば
いい子いい子
あかりに満ちて褒めるはやすし
物をとらせば
いい子いい子
ねむりに就けたら
いい子いい子
分け隔てのない始まりを
与えることはいとやすし
思い出すのもいとやすし
ならば
なにゆえ忘れるのだろう
転んで泣いても
いい子いい子
泣かずに起きても
いい子いい子
手をさしのべたら
いい子いい子
手をひらけたら
いい子いい子