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詩人:甘味亭 真朱麻呂
両手を広げたその幅は
きっと僕がつかめるだけの幸せの大きさ
それだけの幸せを僕は持っていられる
それより多くは持てないさ
その幅の大きさだけ僕は幸せになる
君の両手を広げた幅と
僕の両手を広げた幅が
違っても
きっとその人にしかつかめない幸せがあるからさ
大きくたってたくさんの幸せがあるかはわからない
小さくたってちょっとしか幸せがないとは限らない
君は一生懸命に両手を横に伸ばす
僕の幅にまで追いつこうと
でもそんなことしなくたって
君にしかつかめない幸せを持ってる
君にしか持つことを許されない特別な幸せを持ってる
それだけで笑顔になれてしまうふたり
両手を広げたその幅は
きっとその人が持つ心の幅でもあるのさ
女の子は女の子しか持ちえない女の子らしい大きさ
男の子は男の子しか持ちえない男の子らしい大きさ
無意識の内に心もどんどん成長していく
両手を広げたその幅以上に
君の心は今や僕の両手の幅など足下にも及ばないくらいに
僕をそのやさしさで包み込んでくれる。