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詩人:黒夢
『好き』という気持ちが理解できなかった。
きっとそれは
理解できなかったのではなく
理解したくなかった。
その想いを自覚して、認めたら
嫌な人間になりそうで。
醜い人間になりそうで。
心に決めた。
見ているだけで幸せだと。
この想いが届かなくてもいいと。
ある人に言われた。
「聞いているこっちが痛くなる」と。
「純粋だ」と。
そんな綺麗な想いなんかじゃない。
嫉妬もした。
妬んだりもした。
それのどこが純粋というだろう。
過ぎていく一日一日の中で
忘れたいことも、新たに見つけたことも
何でか君に繋がっていった。
伝える事と、黙ったまま忘れる事。
どちらが自分にとって楽なのか。
どちらが自分への悲しみが少ないのか。
自分なりに考えて、現実に流されて。
結局、君には何も言えなかった。
この想いを、恋だと認めた。
それでも
この想いをどう表せばいいか
君の姿を見なくなった今
もう分からない。