詩人:老女と口紅。
でさぁ〜
アイツら拓也にくだらない
意地悪ばっかしてんだぜ!
な、
ウケるだろ
アハハ〜♪
アハハ〜♪♪
さ
オレ達、笑い過ぎた
はしゃぎ過ぎだよな〜
この辺りで
少し話さないか?
毎日が楽しすぎて
息ができないほどだよ
禁断の密約を交わす二人に
崩壊と破滅へのご褒美とし、
特上の夢想と快楽を得ながら
欲求はタイヤを擦り減らし
ドライブは闇の奥の奥へと‥
ずいぶん遠くまで来たよな、
綺麗な夜空に
気がつかないまま‥
ねぇ、もぉ
幾つの闇夜を
越えたんだろう?
まだ先は長いけれど
きっと辿り着くよね
二人であの場所へと
凝らす視線の先には
こぼれ堕ちる砂の城
霧深い淋しげな場所
手招きする老木たち
ここは静かだね
僕らの居場所じゃないよ
少し休んだら
また走ろうか
聞いてる?
ねぇ、
なにも語らない君は誰?
いつからそこに居るの?
助手席にすわる
輪郭のない人影
抱いていたのは
心のない抜け殻
とっくに車から
降りてたんだね‥
はしゃいでたのは
寂しん坊の夢物語。
気がつかなくて‥
ごめん、ほんとは
辛かったんだね
僕もこの関係に少しだけ‥
少しだけ疲れてきたんだ
でもお願い、
傷は深いけれど
もぅ一度初めから
出直してみないか?
行き着く先は
バッドエンディングでも