詩人:甘味亭 真朱麻呂
天気予報がめずらしく外れた日は
君があっけなく死んだ日さ
なにもかもが本当のことじゃないとあらためて知らしめられた日だ
さよなら…さよなら
もう逢えない人よ、仕方ないって思うほかないよね
運命はただ冷酷に誕生祝いをひかえた彼を連れ去ってった
さよなら…さよなら
もう戻らない命よ、雨降りの街、切れかかってチカチカと点滅してる廊下の蛍光灯
暗がりの世界
見開いたこの瞳に映るのはひっくり返しても絶望一つ
絶望だけさ
ゆっくりと蛍光灯は力をなくして光を失っていく
静かな暗闇の中
いつまでも立ち尽くしてた
頼りの明かりを失って
一歩も動けずにいる僕
なにも考えずにいられる居心地の良さに
心を操られてた
あの蒸し暑い真夏の怖い夢。