詩人:甘味亭 真朱麻呂
うらやましい人
僕より多くの朝を迎えられる人
うらやましいな
うらやましい人
僕より多くの夜を見ることのできる人
うらやましい人
僕より後に生まれたすべての人
くり返す生と死の中で
うらやみ続ける人たち
それは何度も何度も繰り返すだろう
この世界が滅びない限り
繰り返すだろう
僕はもう…もう
うらやましすぎてどうしようもないのさ
それでもその人にはなれないからため息をついてあきらめて悲しんでいるしかないのさ
あぁ誰も代われぬ命
あぁいつか僕にもおとずれる未知なる終わり
光もなく感情や記憶すら残らない
そんな悲しみに落ち込んでいく誰もが抱く痛切な想いに世界のこの不思議に僕は様々な理由を持った涙を流すよ
複雑になっていく大人社会の中で
上手に馴染めるすべをさがしながら
孤立するこのさびしさにふるえを来し
時々泣き崩れるよ
がんこで意地っ張りのこんな僕ですら
こんな僕でも誰でも
涙を流すよ
うらやましくてうらやましくて仕方ないから
僕は僕のまま
誰にも代われずもう二度と現れることもない景色を見納めるから
こんなにも悲しくなるのさ
こんなにも涙がでるのさ。