詩人:どるとる
もうへたな言葉は何も必要ない
待たずとも誰にも明日はやってくるんだから静かに目を閉じ夜が明けるのを待っていればいい
大切なことなんか何もありはしないんだろう
全てがいつか幻と消えるなら何が大切でも変わりないから
流れる涙はどこへ
ゆくえをくらますの?
さまよう僕はどこへ
向かっているの?
何ひとつわからない
そのままで構わない孤独な夜はつづく
果てのない空の向こうへぼくは飛んでゆく
神の名を借りた運命にもてあそばれて
ぼくらはサイコロを振る
出た目の数だけ前に進む
そんなスゴロクみたいな毎日には様々な出来事がある
落とし穴は意外にすぐ傍にある
気をつけて 前だけじゃなく下も見て
たまには
不安や苛立ちに四方を囲まれる
ぼくは気まぐれに変わる信号を眺めながら
渡るか渡らないか考えている
涙のゆくえは誰も知らぬ
涙がどこから来たのかを知らないように
ぼくのゆくえも誰もわからない
ぼくはひとり夜に沈む
悲しみ紛らす口笛を吹き鳴らして
ぼくは自分のゆくえを知らぬ
ぼくはぼくであってぼくじゃないから。