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詩人:山崎 登重雄
例えばね こうして隠れた生活の仕方をしていると
花火を見ても何か考えちゃうんだよな
一瞬のキラメキにワビサビ
この陰で黙々と花火職人が汗して作る芸術
伝承と感動の記憶にだけ残る消える芸術
美しいと誰もが讃える
一瞬の悪魔の所業
この陰にすさまじい数の庶民が闇に消える惨劇
歴史と痛恨の記憶に残された悲しい戦争の数々
エゴの為に誰もが涙する
一発の尺玉も 一発の砲弾も
紙一重の物語ではなかろうか
暗闇の中で 目で見ずに音で空気で感じてごらん
大玉の花火か戦火の爆音か区別できるかい?
歴史上の戦争 今もある紛争 泣いている人々
同じお金と時間と火薬と光と音と人間
消し去られた命よ安らかに 恒久の平和を祈る