詩人:哀華
この際
もうどうでもいいよ
その口はどうせ
出任せばかり
話すのだから
恐ろしいほど
真っ黒な眼
きっとそこには
私の背中に彫られた
バラなんか
目じゃないくらいの
小さくて可愛い
赤い花が
写るんだろう
気ままに
そのまま砕けたら
つながることも
きっと億劫になって
私たち
花びら散るように
儚く終わって
しまうんだろうね
足元すくわれて
立てなくなったのは
地面が驚くほどに
不確かだったから
やわらかすぎる土は
水分過多で
少しずつ着実に
沈んでいく
もがくのは
思ったより
疲れてしまうから
もういいや
その眼にはどうせ
私など写らないから