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[154945] 午前零時の憂うつ

詩人:どるとる


何も 思い浮かばない
詩人は 微睡みの中
言葉はぼくを見放した

いつもながらに 退屈極まりない1日に
ぼくは何もかもが嫌になった
それでも輪を転がす少女のように陽気に光と影に遊ばれるように遊ぶんだ

目に見えるもの
かろうじて見えるもの
それは 影のように
表情も感情もないもの
それでも大切なもの
今日を生きた収穫はきっとそんな形ないもの
言葉に見放されたぼくの精一杯の言葉だ
ほら午前零時を告げる時計の音が家中を不思議な空気で覆う

街は 今日も したり顔のまま
ぼくに愛想もなく
ただ 義務的に ぼくを夜に導く

ほら、天使の顔の悪魔がぼくに微笑み
高値の貢ぎ物を強請る

有無をいわさず憂うつな夜にぼくは出会ってしまった

そして夜はまたもや明けるのでしょう
そして昨日の涙なんてなかったことにしたいんでしょう
そしてぼくにはただお飾り程度に生きていてほしいんでしょう
愚痴や卑屈をいえばきりもなく言えてしまうよ

冷めきったコーヒーはまずい
ぼくの詩もいまいちぱっとしない
君の優しさもなんだか嘘っぽい

午前零時はもう過ぎた
でも煙を立てる吸い殻みたいな 残り火が憂うつを捻出する

いくらでも死ぬ理由ならある
だけれど理由はあってもおそれるあまりできないだけ
でも忘れないで
死ぬ理由は絶え間ないんだよ
それでも生きたい気持ちも絶え間ないんだよ。

2010/04/07 (Wed)
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