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[154992] たったひとつのストーリー

詩人:どるとる


ロケットスタートみたいに勢いよく
唐突なくらいに始まった物語は
いつか 夢のように終わるのです
それでも気持ちだけはいつまでも永遠にも生きていられるような気がしてるよ

今日という日や
明日という日は
やがて終わるまでのつかの間の世界なのかな
ぼくらはぼくらでただそれぞれがそれぞれに型にはまった生き方してる人 そうじゃない人
いろんな人がいる中で人の数だけ生まれるよ
たったひとつのストーリー

どれひとつとして同じように輝いているものはなく
どれひとつとしてくだらない物語はなく
どれもがどれも素晴らしい人生なんだ

いつか影さえ消え去っても
記録だけが残像のようにあとに残っても
ぼくがここにいたことや頑張った事実は消えないはずだよ
意味のあるものを残したいなら 消えない何かを残せばいいと思うかい?
だけれどそれもいずれは消えるから
形のないもの
見えないものほど
ぼくがいた証を確かにできるから
きっとぼくは足跡だけを残すだろう
ぼくのおくる毎日は砂浜に書いた文字のように波にさらわれるさだめだから
きっときっときっと
消えないはずもなく
残るはずもないんだ
だからこそぼくは今を精一杯生きる
ぼくが忘れないように
そのつもりでいればいいだけだ

見るもあざやかな夕日をバックに五時のチャイムが鳴る
動かない電信柱から行き交う人も全ての影を包み込むように
ほら、何も特別な景色じゃないけれど
ぼくにはなんだか毎日が特別なようで
目に見えるもの見えないもの
その全てが特別なものばかり
そんな気がするよ

ああ、言葉になんかならなくてもいいのさ
美しいものほど言葉からは遠くなるものだから

またひきつづき現実に向かい持てる全てのエフェクト持ち寄り
今日の延長でまたとないストーリーすこしずつ書き連ねてく
ぼくらは人生という長い長い小説を書くことを許された唯一の人だよ。

2010/04/09 (Fri)
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