詩人:どるとる
手をぐっーと伸ばして 引き寄せた4月に
邪魔な障害物をまたぐように ぼくはなるべく楽におだやかに
そんなことばかり考えていた
カレンダーには
過ぎた日にちに
×印をつけて
まるで思い出も
消し去ったように
前だけを見てる
心のバス停に
ひとり立ち尽くして
何を待ってるのか
ずっと何かを待ってるみたいなんだ
いつものように
日が暮れて
何ひとつ特別なこともなく
何事もなく 手を振る帰り道
空はオレンジ色
目に見える全てが
まるで夢のように
ぼくの腕から
離れてゆく
花びらが散るように
それは運命だから
変えられない
そう知ってる
だからこそ悲しい
言葉は死んだように
ぼくを無口にさせる
ああ 何も言えない
果てしないあの空に
流れる星に願いたくしても叶うはずもないと 願うことすらしなくなって
やがて
腐りきったぼくの心
近道しすぎて
こんな未来
後悔は肉体的な痛みのない精神的な傷を残す
沈む夕日に涙をこぼす
平然を装うぼくの本当の胸の内
永遠に誰も知ることはない 粗いモザイクで隠された真実
深層真理を侵す
悲しみの螺旋
ぼくは巻き添え
オレンジ色に染まる空に僕は靴を飛ばす
昼間はにぎわっていた公園には今は人影はない
ブランコが時々風に揺れてるだけ
そんな景色を平凡と呼ぶならあまりにさびしすぎるだろう
いつものように
日が暮れて
何ひとつ特別なこともなく
何事もなく 手を振る帰り道
空はオレンジ色
目に見えないものまで
さよならも言わずにぼくの視界から消える
星が流れるように
それは運命だから
変えられない
もう知ってる
だからこそせつない
瞳は死んだように
うつろに宙を泳ぐ
ああ 何もできない
そして今日もオレンジ色の空が
美しさのぶんだけ
僕を傷つける
本当罪だね
何度見ても目にしみる色だ
オレンジ。