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詩人:ハト
思い出は
セピアでも白黒でもなく
驚く程色鮮やかで
まつりの夜のネオンや
延々と続く
道標のちょうちんの色
捕まえ損ねて夜空に消えた
蛍の光の色でさえ
目を閉じなくても
思い浮かべることが出来てしまう
君と手をつないで
あのちょうちんが
途切れるところまで
行ってみたかったな
その先に何があるのか
知っていても
私は君となら
行ってみたかったな
かえるが鳴いている
雨の音みたいに
草が萌えている
鼻が痛いと笑った
君の手はあたたかい
懐中電灯は要らない
思い出は
セピアでも白黒でもなく
泣きたくなる程
色鮮やかだ