詩人:杏
右手の薬指に残る白い跡…
さっきまでは銀色だった。
昨日の夜あたしが寝ている側であなたはあいつとキスをした…
あなたが妹みたいと言ったあいつにキスをしていた。
知らなければ幸せかもしれない…
でも、あなたが妹みたいと言ったあいつが教えてくれた。
「キスしたよ」と…
あたしは笑って聞いていた。
あなたがあいつを寝返りをうったと言って抱いていたのをベットの端から眺めていた…
涙すら出なかった。
タバコを吸いながらあたしは冷めた感情を宥めた。
あいつが帰った後あなたはあたしが知っているとも知らず何食わぬ顔で体を求めた…
心も体も突き刺されながら、考えた。
愛してると何度も吐いたあなた…
結婚しようと何度も吐いたあなた…
知ってる?
あなたが妹みたいと言ったあいつはあたしの唯一の親友だよ…