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地獄椅子の部屋  〜 「黒道X号線の路傍」への投 票 〜

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[60874] 黒道X号線の路傍

詩人:地獄椅子

黙殺された星雲から、地表へとメテオストライク。
煮えたぎる活火山からマグマの噴出。

愛されることに慣れていない子供達。中指立てることを忘れた中年。若かれし日々の残像に縋る老人。血祭りを喜ぶ破壊神。
「いってらっしゃい」と見送る貴女。
もう会えなくなるの、まだ知らない穏やかな笑顔。
もう此処には帰らない決意で「いってきます」と笑う俺は濁った空を見上げた。
フェイバリットな詩集と哲学書、二冊の本を友に、あの断末魔の雄叫びのサプライズを直撃するまで。
旅から旅へと転がる所存。

紫の煙立ち上るワーズワースの森。
ここは懐かしい祈りの空気。さながらフリーダム。
また朝が来てしまう。
真夜中の夢の続きは白昼の陽光が、リセットさせる。

マドモアゼル、イノセントデイズ。
レミゼラブル、ロンググッドバイ。

糞を食らう犬の姿の高貴さよ。
生けとし生けるものそのものの佇まいが、落ち武者のように慈悲を湛えてメメントモリの業の深淵を見る。

稀有なる反射神経が喝采の網の目から零れ落ちて、太陽のレプリカ、永遠のオブジェを魂の彫刻刀でひたすらに。
幽玄かつ神妙なる湿地帯を過ぎ、枯葉を踏みしめて、花開くのを待つ蕾を見上げる。
ピンクに染まるであろう、貴女の嫌いな季節を想起する。

重低音を響かせて、マッハの速度で太く吠えよ。
人はローリング。
行くぜ、デッドオアアライブのトライアル。
掴むぜ、焦燥と軋轢のマテリアル。

帰らぬ家のおかっぱ頭の貴女に捧ぐ四つ葉のクローバー。
一つだけ一つだけ、夕闇の温度に逆上せて巨大な隕石に自分を重ねて。
死火山から蘇る不死鳥のように舞えよいざ。


帰らない。帰れない。
霧の国の遠くで俺は、転がり続ける間抜けな猿だ。
誰が人間だか分からない。
子供、中年、老人、破壊神、断末魔…お前等を纏めても、たった一匹のミジンコに勝てるか?


クローバー。クローバー。貴女は浮気をするだろう。
誰も俺を待たぬ。黒道X号線の路傍。
腐ったクローバー。

「ただいま」なんて口が裂けても言わまいさ。

馬鹿野郎め。

2005/12/25 (Sun)
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