詩人:トケルネコ
うつむいた先に 蝿の死骸
浮かんでは沈む ボウフラの海
斑に映る 黒い空
よぎる 泥の鳥
飛んでゆく 丘の墓場へ
みなが眠る凝縮した渦の中へ
俺が云う決まり文句
壁に響く打ちつける音
ぼんやりと聴く
微かに 血の匂いをさせる馬
いななく眼に 針
手に取る 濡れた先端
射し込む 乾いた舌先
声に出して読む 気が塞ぐレス
とぐろを巻く沿線の渋滞
みな炎に巻き込まれた
逃げ惑う先に 俺の死骸
みな踏み付ける 顔が崩れる
子供が笑う 両親が祈る
俺は俺のコトバを探している
渦がみなを優しく包み‥