詩人:中村 休落
まだ、ずっと昔、私が産まれてきたころの事なんだけど…。
あたかも悪魔のように、私達をおとしいれていた奴がいたんだけど。
そいつは、ずっと昔に、少女をゆうかいした事があったらしくて、
意味のないことを、ずっとさけんでいたらしい。
その男が、私の前でこう言ったんだ。「あした、勇気があれば、この指輪を君に
あげよう。またここにおいで…。」その男とは、それ以来、会っていないけれど確かにあの指輪
は欲しかった。何かしらの理由があって、あの男は自殺したらしいけど、僕は思うんだ、
生きればいいだけなんてウソなんじゃないかって。その男は後に、新聞にのってたらしかった。
あの指輪は盗まれたものだった。何年か経って僕はその指輪を手にした。
その理由(わけ)は、さよならを意味していたのかもしれない。さよならと…。
さよならと言いたかったのだろうか…。