詩人:アル
《噂話》
仲いいんだか悪いんだか、不思議なカップルよね、あのふたり。
えっ!あのふたり付き合ってるの?
大きな声出さない…
だって、アタシ、別の部署の子たちが、トイレで話してるの偶然聞いちゃったの。天野主任がユキちゃんを2週間以内に落とせるかどうかで設計にいる主任の友だちと賭けてるって。
それはないでしょ。主任、離婚話でゴタゴタしてて、そんな余裕はないはず。ふたりとも、もういい大人なんだし、そんな子供じみたゲームなんかするはずがないでしょ。主任ああ見えて、根は真面目な人だから。
主任真面目かなぁ?
少なくとも、ユキちゃんに対してはそうじゃないかな?最初はからかってただけかもしれないけど。
離婚だってユキちゃんが原因じゃないの?
違うわよ、それは。
あ、でね、トイレで噂話してた子たちが行ったあとに、アタシの隣りの個室から、ユキちゃんが出てきたの。
ユキちゃん青ざめた顔してた。
それは主任に相手にされなかった子たちが、嫉妬して無責任な噂流してるだけでしょ。ユキちゃんなら大丈夫よ。しっかりした子だから。
ユキさんて、いくつでしたっけ?
たしか22
え〜っ。童顔だから、もっと若く見えるぅ。
うらまやしい…アレ、うまらや…うやま…
うらやましい?
そう、それ。
なんで、そんな簡単な言葉噛むかな。