詩人:鴻
色々
洗い流したくて
雨ん中 突っ走った…
息切れ切れ
キツくて苦しくて
もっと
洗い流したくなって
浴槽に
頭まで潜った…
頭が熱ぃ…
風呂からあがって
鏡を見て…―
『オ前 何シテンノ?』
俺じゃない
俺が話す…―
『馬鹿ミテー』
『傷ツケレバイイジャン』
『観タインダロ?』
いつもは居ないのに
なんで…―
『泣カセタインジャネーノ?』
『ヤリャイイジャン』
『後悔シナイッテ』
『俺ガ居ルシ』
破壊衝動剥き出しの
俺が居て…―
『アレカ?自分嫌イ』
『刺シタインダ〜』
『痛サデ安心シタイトカ?』
違う やめろ
壊レタラ…―
『生キテル実感』
『ソンナモン必要ネージャン』
『ソレデモ 嫌ナンダ〜』
うっさい黙れ
治ルノニ…―
『図星?』
『苦シー?痛イー?』
『ゴ愁傷サマ〜』
『…―デ。』
“《消エタインダ》”
『本当』
『馬鹿』
喋るな 黙ってくれ
時間ガ 掛カル…―
“《デモ…
寂シイネ…―》”
数秒で
湯煙が覆い尽くし
漸く ソイツが見えなくなった…
だけど
曇った鏡を拭ききって
鏡越しに見えた
“…泣顔…”
『…』
蔑むように笑って
笑い飛ばして
嫌な事
ナミダで流して
明日には
また泣くかもしれない
だけど
明日には
あるかもしれねーじゃん
泣顔以上ノ―…
“『笑顔』”