詩人:どるとる
幸せの形すら わからなくなってしまった
平凡な毎日に身を置くうちに これ以上の幸せがあるのかとさえ疑ってしまう
欲しいものも今のところは何もなくて
欲がないといえばそういえるけれど
ありあまる財産になぜかむなしさ募る
隣にはいつも孤独
後ろには味気ない過去
前には 世知辛い現実
四方を囲まれて
身動きのできない僕に迫るタイムリミット
時計の音から逃れるようにたまの休日に遠出してみれば
やっぱり何もできず
ただ切なさに焦がれる胸をつかの間癒やす酒をあおる
愚かな日々
夢は底を尽きて
自信は消え失せて
残ったものは
使い古された
ボロボロの心
痩せこけたからだ
夜に沈むように
ベッドに身をあずければ また 見る夢はくだらない幻想にあふれた おとぎ話の世界
ほらそれでも僕には心地いい世界
ずっと夢見ていたい
そんな気持ちにすらなる
二十歳過ぎの僕だ
青春に乗り遅れた僕は周回遅れのランナー
前にも後ろにも誰もいず ただ長ったらしい 憂うつが果てなく続く
涙も枯れ果てて
全てをあきらめてしまってもいいかとさえ思い むなしく空元気で過ごす毎日がとてもつまらなくて
空はいつも低くて
二十歳なのに若さもなく暮らしている
そんな冴えない毎日だ
二十歳でもう年寄だ。