詩人:どるとる
退屈な夜に
ため息ひとつこぼせば
目に見えるものが全てなぜだか遠くに感じてしまう
心にぽっかりとあいた穴ぼこが
日に日に大きくなっていくようで心もとない
愛想笑いや その場しのぎの言い訳でごまかせたとしても悲しい気持ちは消えやしないんだ
見上げた空はこんなに暗くてもすてきなのに僕はなんでこうも無色なのかな
ふと気をぬくと
消えてしまうような
曖昧な存在の僕を冷たい夜風が射抜く
この夜はずっと明けない
夜明けにはまだ遠い
あの大きな月までも僕を見放してるような錯覚におちこむ夜だから 今は何を言われても耳には入らない
遠く 揺れる 小さな自販機のあかり
まずはそこから目指していこうかな
小さな目標だけど今はそれが精一杯
少しずつ明けてゆく空を この瞳がとらえたら 目を開けたまま見る夢がはじまる
ほら 時に悪夢のような日も時にはいい夢だから
一時の迷いに 血迷わずに 僕は生き続けることだけはやめてしまわずにとゆっくりでも歩いている
何度でも
何度でも
おとずれる夜が
心にも 瞳にも
おとずれる夜に
何回でも
何回でも
打ちのめされて
それでもそれでも
僕は立ち上がる
夜をのりこえて
どうにかこうにか
僕はもめ事やり過ごすように煙にまくのさ 悲しみを
ああ ほら カーテンから朝がふきこぼれるまで 夢に揺られて
夢枕に意識を あずけて
この夜に身をかたむける そんな僕を支えるものはいつも残酷なようで時におそろしく優しい 運命だよ
ああ時計の上でステップ踏む 僕はめまぐるしさにあえぐ
それでも今を生きなくちゃと立ち上がりまた踊り出す
そして今日も夜にため息と感嘆の声があふれる
悲しみと歓びの狂想曲は回るように頭の中で絶えず流れる
そして僕は夜に跡形もなく 喰われる。