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詩人:甘味亭 真朱麻呂
行ったり来たりで僕らはもう
いつの日か逢えなくなるのかな
迷いの中にいる僕は
選び出した中からどれかひとつの道を選ばなくてはならない
挨拶をすました後で
続いていくなにかに愛想など振りまいてさよならするさ
誰かに打ち明けられない気持ち
抱えながら歩いていく
少し重くて進みづらいけど
雨上がりの空に虹が架かるのは
哀しみが通り過ぎた時だけさ
どんなつよい雨だってかならず止むように
この迷いにもいつか決着がつくときがくる
それまではずっと僕は
雨のち晴れのちまた雨の世界で独りきり歩いていくのだろう
さび付いたバス停の下の時刻表
もうちょっとすればあの坂をバスがくだってくる
君を困らせる迷いともバイバイできる
それまでしばらく眠らせてよね
楽しい夢をみせてよね
古いベンチに腰を下ろして待つ僕は静かに静かに目を閉じた
八月も終わり
みる夢は夏の想い出
かげって染まる夕暮れはかすかに夏の色を残して
そんなふうに過ぎゆく時の流れを心で感じながら
雨のち晴れのちまた雨の世界を今度は君と歩いていくのだろう。