詩人:どるとる
こんなにも人を好きになるなんて正直思わなかったよ
あれは5月のはじめだったかな
僕の胸に芽吹いた初恋という花
頬をくすぐるそよ風さえなんだか僕を祝福してくれてるような気がしていた
どうにも言葉じゃ言えないから
僕はこの気持ちを唄にして届けるよ、あの日の君へ今の僕から
あの日、
僕のこの胸に咲いた花は初恋という名のかぐわしき花
その匂いでもう僕の全てのは君へと流れていった
言いたくて 言えなくて 思い悩んで
それでもいつまでも気持ちは変わらなくて
君がたまらなく好きでしかたなくて
僕のこの揺れる気持ちを落ち着かせられるのは君しかいなくて
それでも桜が散るころ 時を同じくして
僕の心に咲いた初恋の花も静かに散った
誰にも見送られることもなく 人知れず涙にくれた僕のひそやかな恋は 花びらが地面に落ちるように
当然のように 終わってしまった
ほら、また惜別の春が僕に平和的に微笑む
憎らしいくらい
和やかな街と懐かしい並木道
その全てがあの日の僕には 輝いて見えてた
恋の花 散るまでは。